ベラスケス

皇妃・王族・子供たち

マルガリータ・テレサ|ハプスブルクの血に縛られた少女の肖像

この絵は、単なる王家の肖像ではなかった。 構図、視線、鏡──そのすべてが意味を持ち、見る者に「予告された未来」を語りかけてくる。この記事では、『ラス・メニーナス』に込められた王位継承の象徴と、マルガリータ・テレサという少女が背負わされた宿命を、歴史的背景とともに読み解いていく。
皇帝一覧

フェリペ4世 | 芸術に溺れ、戦火に翻弄された王の生涯

スペイン・ハプスブルク家の黄昏を見届けた王、それがフェリペ4世である。彼は祖父フェリペ2世のような鉄の意志も、父フェリペ3世のような静かな諦観も持ち合わせていなかった。彼が見たのは、戦争の泥沼と衰退する帝国、そして芸術という美の世界だった。
基本情報まとめ

フェリペ4世 (スペイン王)

フランスのルイ14世に対比され「惑星王」と称された彼は、政務を寵臣たちに委ねた結果、帝国の衰退を招いた一方で、スペイン文化の黄金時代を築いた。政治の混乱と文化の繁栄、その両極端が共存する時代を象徴する君主であった。