
ヴェストファーレン条約とは?ハプスブルク家の衰退とフランスの台頭
1648年、ヴェストファーレン条約 (ウエストファリア条約)。この日、ヨーロッパの支配構造が静かに、しかし決定的に書き換えられた。16世紀、婚姻と皇帝位を駆使してヨーロッパを掌握していたハプスブルク家。だが「三十年戦争」を境に、その覇権は揺らぎ始める。戦争の果てに立ち上がったのは、全く異なる性格を持つ新たな主役――フランス王国であった。この記事では、ヨーロッパに君臨したハプスブルク家の衰退と、ルイ13世・ルイ14世が率いたフランスの台頭を、ヴェストファーレン条約前後の出来事を軸に描く。